ヘアカラーもたくさん種類がありすぎて分からない。
一口にヘアカラーと言っても様々な種類があります。
大きく分けると医薬部外品と化粧品。
その中でも様々な種類に分かれています。
「医薬部外品」と「化粧品」
まずヘアカラーは大きく2つに分けられます。
医薬品と化粧品の中間で規定範囲内の効果・効能がうたえる医薬部外品と、体を清潔にし、美化し、健やかに保つための化粧品です。
医薬部外品というと、安全で効果の高いイメージですが、ヘアカラーにおける医薬部外品は、あくまで髪に対して有効とうたっています。
それぞれ詳しく説明していきます。
「医薬部外品」分類のヘアカラー
まずは「医薬部外品」分類のヘアカラーを紹介していきます。
①酸化染毛剤(ヘアカラー)
一般的に、皆さんが思っているヘアカラーがこの酸化染毛剤のことを示します。
医薬部外品の中の永久染毛剤に分類されます。
- アルカリカラー
- ヘアカラー
- 白髪染め(グレイカラー)
- おしゃれ染め(ファッションカラー)
- ヘアダイ
色々な言い方がありますが、市場に出回っている約90%がこの酸化染毛剤になります。
酸化染料とアルカリ剤が含まれている1液と過酸化水素が含まれている2液を使用直前に混ぜて塗布します。
アルカリ剤と過酸化水素によって髪のキューティクルを開き髪のメラニン色素を壊し、
酸化染料と過酸化水素によって酸化させて髪の内部に染料を定着させます。
短時間で髪の明るさを変えると同時に染色もできることから、おしゃれ染め、白髪染め問わず自由自在にヘアカラーを楽しめるのがメリットです。
さらに髪の内部で発色するので、色持ちが良いのも特徴です。
その反面、髪を明るくすることで髪や頭皮への負担がかかることと、
酸化染料に含まれるジアミン(特にパラフェニレンジアミン)がかぶれやアレルギーの原因になるので注意が必要になります。
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特徴
- ヘアカラーの主流
- 色持ちが良い
- 明るくも暗くもでき、自由度は一番ある
- 髪と頭皮に負担がかかる
- ジアミンアレルギーのリスクがある
②悲酸化染毛剤(オハグロ式白髪染め)
もう1つの永久染毛剤(非酸化染毛剤)は、オハグロ式白髪染めと呼ばれるものです。
江戸時代に全国に広がったお歯黒を利用したことからオハグロ式と呼ばれています。
染毛の仕組みはポリフェノールと鉄塩の化学反応で生じる化合物で染毛していくというものです。
ジアミンアレルギーのリスクはなく、髪のダメージも少ないのがメリットですが、
黒にしか染まらない事、1液と2液を2度塗りしないといけない事、パーマがかかりづらくなるというデメリットがあります。
特徴
- ジアミンアレルギーのリスクはない
- 現在はほとんど使われていない
- 黒にしか染まらない
- 染めるのに手間がかかる
③脱色剤、脱染剤(ブリーチ、ライトナー)
メラニン色素や、永久染毛剤で入れた染料を壊すのが、脱色剤、脱染剤になります。
酸化染毛剤と似ていますが、違いはアレルギー成分であるジアミンなどの染料が入っていないことです。
一般的に
- ライトナー→メラニンだけを壊し、最大14レベルまで明度を上げる
- 脱色剤(ブリーチ)→メラニンと染料を壊し、14レベル以上明度を上げる。
- 脱染剤→染料だけを壊す。
と思って頂けたら良いと思います。
縮毛矯正と並ぶほど、ダメージが起こりやすいメニューです。
特徴
- ジアミンアレルギーのリスクはない
- 髪を明るくできるが染色力はない
- パワーが強く、髪に負担がかかる
- 頭皮につくとしみる
④ハーブ系カラー
ハーブ系のカラーはハーブや植物、漢方の中に、酸化染料を粉末にして混ぜたヘアカラーです。
- 香草カラー
- ハーブカラー
- 和漢彩染
- 健草カラー
これらがハーブ系カラーに当てはまります。
酸化染料で起こる髪のダメージ、地肌がしみる、匂うといった不快な要素を極力なくしたヘアカラーです。
アルカリ剤、アンモニア、過酸化水素を含んでおらず、髪と頭皮に優しいのが特徴です。
染料に関しては基本的にジアミン(パラフェニレンジアミン)を使用しています。
薬剤は粉末状になっており、お湯と混ぜて使用していきます。
粉末に含まれる化学染料(ジアミン染料)と加ホウ酸ナトリウムが水分を含むことで反応し発色し白髪を染めていきます。
アルカリ剤を使用していないので黒髪の部分は変わらず、白髪にだけ色が染まります。
取り入れている美容室もあるので探してみて下さい。
特徴
- 髪と頭皮への負担は少ない
- 髪は明るく出来ない
- 色持ちは良い
- ジアミンアレルギーのリスクはある
「化粧品」分類のヘアカラー
次に「化粧品」分類のヘアカラーを紹介していきます。
①酸性染毛剤(ヘアマニキュア)
酸性染料はヘアマニキュアとして聞き馴染みのあるヘアカラーだと思います。
酸性染料はアルカリ剤を使用せずに髪を温める事でキューティクルを開き、その隙間から染料を入れ、毛髪内部のキューティクルに近い部分にイオン結合で染料を留めます。
もちろんアルカリ剤を使用していない為、髪の毛を明るくすることはできません。
アルコールを使用している為、髪の毛へのダメージはゼロとは言えないですが、酸化染毛剤と比べて髪の負担は少ないです。
色持ちは2~4週間と言われ、シャンプーで徐々に色落ちしていきます。
ジアミンを使用していない為、ジアミンアレルギーの方でも使用できます。
地肌につくと頭皮が染まってしまう為、注意が必要です。
特徴
- 髪と頭皮への負担は少ない
- 髪は明るく出来ない
- 根元から染めることはできない
- ジアミンアレルギーの方でも染めれる
②カラートリートメント(塩基性・HC染料)
ヘアカラートリートメントは2000年代前半から登場した比較的新しいヘアカラーです。
塩基性染料やHC染料というメイク用品などにも使用している染料をイオン吸着することで染めていきます。
染まりはいいが色数の少ない塩基染料と、染まりは悪いが色数の多いHC染料の
お互いの欠点を補うように両方が配合された製品が多いです。
おしゃれ染めでは、カラーバター、マニックパニックなどが有名です。
色持ちは2~4週間と言われ、シャンプーで徐々に色落ちしていきます。
美容室では、色持ちや染まりを良くするため様々な技術が出来ます。
ジアミンを使用していない為、ジアミンアレルギーの方でも使用できます。
市販品では繰り返し使用して染めることをオススメしています。
マニキュアと違い地肌についても比較的落としやすいので根元から塗布が出来ます。
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③ヘナ、インディゴなどの植物性カラー
ヘナとはミソハギ科の植物です。熱帯地域インドなどの、標高が高く水はけのよい土壌で育ちます。
現在市場にあるヘナのほとんどは輸入したものが多いですが、最近では国産のヘナを求める声もあり、沖縄などで生産されています。
ヘナの葉にはローソンというオレンジ色の色素が含まれています。
このローソンはタンパク質に吸着するという性質があります。
ヘナの染まる原理は、その性質を利用し、ヘナのオレンジの色素が、髪の主成分であるケラチンタンパク質に絡みついて、発色させることです。
インディゴはジーンズや藍染めなどに使用する植物由来の青色の染料をまとめたものです。
オレンジに染まった髪の上にインディゴを塗布することで、オレンジと青が混ざり、茶色や黒色に近づけていきます。
これがヘナの2度塗りの原理です。
ジアミンアレルギーのリスクはありませんが、植物アレルギーのある方は注意が必要です。
また、中には酸化染料を混ぜた製品(ケミカルヘナ、ジアミンヘナ)や、品質の悪い(ヘナの茎や根が入った)安価なヘナもあるので、
かぶれや、ジアミンアレルギーがある方は注意が必要です。
天然100%のヘナはジアミンアレルギーの方でも使用できます。
天然のトリートメントで、髪と頭皮の改善効果があるのが特徴です。
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特徴
- 髪と頭皮へのトリートメント効果
- 髪は明るく出来ない
- 根元から染めることが出来る
- ジアミンアレルギーの方でも染めれる
④一時染毛剤(カラースプレー、カラーマスカラなど)
一時染毛剤は肌に使うメイク製品と同じ色素を使っていることがほとんどなので、髪や頭皮に優しいです。
スプレー状、マスカラ状、ファンデーション状、ワックス状、スティック状と種類が多いのも特徴です。
シャンプーで簡単に落ちるので、その日だけ染めたい場合に使用すると良いでしょう。
一方で雨や汗でも色落ちしてしまい、衣類を汚す可能性があるので注意が必要です。
特徴
- その日だけ髪色を変えたいときに便利
- シャンプーで落ちる
- 汗や雨に注意
ヘアカラーの種類のまとめ
一概にヘアカラーと言っても、これだけたくさんの種類があるという事が分かって頂けたでしょうか。
これだけの種類の中から自分自身に合うカラーを的確に選ぶということは難しいと思います。
手軽に簡単にと思い、ご自身でカラーをするのは少し控え、
なりたい色や、髪と頭皮の状態を伝え、的確に対応できる美容室で、相談してみてはいかがでしょうか。
ではでは。